みそかす日記

映画とか本とか美術館とか飲み屋とか。日々のけだるげな記録

よし、飛び降りよう!!? 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

 そうはならんやろ。

 を思う存分楽しみました。

missionimpossible.jp

 ミッション・インポッシブル7作目デッドレコニング パート1。
 デッドレコニングって、Wikipedia先生によると「推測航法」ということだそうです。正直よくわからない。

 ともかく、今回は、AIの暴走というか爆走をイーサンチームが頑張って阻止しようとする話。

 いつもよりは説明が多いかんじで、そもそも始まるまでにけっこう長い潜水艦シーンがありまして、もう冷戦というのもないし、みんなが「これは危機じゃん」という丁度いい(と言うとちょっとアレなんですけども)状況の設定までに時間がかかっているなという気がしました。
 この説明がほんとに説明のための説明で、スッと入ってきにくいなという気はしました。
 英語だと"the Entity"って言ってたけど、字幕だと「それ」となっていて、これは実際そういうものなのかもしれないけど、「それ」って言われてもわかりにくいんだよね。「エンティティ」だったらわかりやすいかというとそうでもなくカタカナが増えてかえってわからなくなるのかもだけど、「それ」というか、人格を持ってるという設定なので、名前ぽくしても良かったんかなぁと思わなくもありません。わかりません。

 まあ、そこは映画的には「なんとなくでいいし。超ヤバいAIってことで」てかんじなのかもですけど。

 それはそれとして、トム走り(だいぶ走っている)、カーチェイス(手錠オプション付き)、バリバリバイク、電車の上で殴り合い、お約束のマスクの云々、そしてそして「よし、飛び降りよう」とありったけ詰め込まれていますから、長くなるのは仕方ない。というか、パート1で全部やっちゃったけど、パート2どうするんだろう。
 このね、「よし、飛び降りよう」のくだり、すごく楽しいです。緊迫した場面なのだけど、トムの「お、おう。それしかないしな」みたいなかんじ、つい笑ってしまう。

 まあ、イーサンが死ぬってのはありえないし、トムが存命なのも知っているので、見る側もそこのハラハラはない(または少ない。でもこのあたりは不思議なドキドキで、イーサンやストーリーに対してというのもあるのですが、トム大丈夫かというのもかなり混じり込んでくる)はずなのですけど、でも、後ろに行くにつれて、どうなるんだろう、どうやって成功させるんだろう、あとガブリエルやたら怖いし、に加えてすごいアクションの連続で目が離せなくて、トイレに行けません。気をつけてください。

 最初の空港のシーン、スパイものらしくて良かったですし、ローマ(の車)をガンガン壊しながら追いかけっこし、ぐるぐる回ったあと運転席と助手席が入れ替わっていたり、あんまり書けないけど、あそこから飛び降りてあの場面に出てきたり、谷に落ちていく車両(オリエント急行ですよ)から上の方へと逃げていったりでこれがまたてんこ盛りでお腹いっぱい、と前からスーパーエンタメなのですが、すごいバジェットで大真面目にバカバカしいことをする(褒めています)、というほうにさらに寄っていたように思いました。
 落っこちそうになる車両から無事なところまで逃げるのって、まぁ一両かせいぜい二両じゃないですか。いやいや……お腹いっぱいでした。

 今回、ポム・クレメンティエフという俳優を初めて見たのですけど、アジア系のお顔立ちだなと思っていたら、やっぱりそうでした。かなり細そうですけど、アクションも良かったし、運転の狂ったかんじ、とても印象的でした笑

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 トムはじめ、皆さんさすがにお歳がいったなぁというところですが、イーサンがIMFに入ってから30年経ったことになってました。長いシリーズですよね。最初の頃のトム、めっちゃ若いもんね。しみじみ。

 私がトムの映画で好きなところは、「はいはい、きみら、こういうの好きなんやろ?」みたいに適当にお茶を濁すのでなく、その種のサービスシーンはあるにしても、基本的には「こういうのを見せたい」という感じがするところです。ストーリーは、はっきり言って無理だらけだし、はっきり言ってあんなところから飛び降りずとも普通に乗りゃいいじゃん(前のヘイロージャンプもそうだったけど)だらけですよ。

 でもいいんだよ。トムだから。歌舞伎みたいなもんだから。