『エヴェレスト 神々の山嶺』を見た。阿部寛の足が長かった。
※ちょっとネタバレあり。
どんな作品でも原作と映画は別物としてみるので、あれがないこれがない、こんなのは原作になかった…というようなことはあんまり気にならないタチです。
ただ、映画は「エヴェレストに登るってのがどういうことか」というのがちょっと弱かった気がする。
まぁ、エヴェレストが最高の山だ、ということで結局本質は「山」なんで、「山に登るのは、俺がいるから」っていう羽生(阿部寛)の、ほかに在りようがない狂ったかんじが見られればそれでだいたい満足だっただろうと思いますが、役者に頼りすぎ。
深町(岡田くん)に至っては、ぽっと来たカメラマンが最後にはあっさり(ではないですが結果からすると)登った、というふうに見えた(笑)
羽生が挑戦したのは南西壁で、その後、深町が一人で登ったのはノーマルルートですが、それにしてもねぇ。
本当は時間をかけて高所トレーニングをするんですよね。
役者は良かったです。
阿部さんのぎらぎらした、削ぎ落とされた感、良かったです。
岡田くんってアイドルですよね。あの男前をあれだけぶっさいくにする山って確かに怖い。
顔はむくむわ日焼けするわで迫力あった。
羽生はともかく、深町は演じにくかったと思うよ。だって何がしたいのかよくわからないんだもん。
しかし、山の映像や雪の映像で「怖い」「寒い」があんまり伝わってこないのは問題じゃないでしょうか。
「こんな所登れっこない」という絶望感とか、それでも登る羽生の凄さとか、もう少し出んもんでしょうか。
「さすが現地ロケだ」と思う部分ももちろんありましたが、あんまり怖くないというかお上品というか、巷の登山家の写真のほうが怖い。
ネパールの街の風景は良かったです。
もうひとつどうかなと思ったのは、動機がわかりづらいところ。
羽生がどうしてあれだけの執念を燃やして山に登るのか、それを深町が追いかける話だと思うのですが、そもそも深町が羽生に思い入れていく過程が駆け足なので、野心家のカメラマンがなんとなくついていって邪魔したようにも見えてしまう。彼を助けることで羽生も救われるんですけどね。
あとは、深町が「やまや(山家)」だった、という一回だけの台詞が聞き取りづらかったり、「おにすら」の説明がなかったり、ちょっと不親切。
冬のオニオンスライス……?! ではなく、「鬼スラ」で、スラブは岩壁のこと。鬼、はなんのことか忘れましたが、要するに登攀が難しいってことかと。
いくつか笑いそうになったポイントがあって、
・「冬季南西壁単独無酸素……!」
と突然羽生の狙いを見抜く深町。なんでや。
冬季、が何をさすのか説明はなく、どうして「無酸素」と思い至ったかもどういう意味かも説明はない。
「漢字を並べれば観客はなんかすげえ!って思うだろう」って思われているのか。
南西壁がどんなところのか、というのも、もうちょっと「これは人間には無理」っていう描写があれば良かったなぁと(映像はあるんですよ。垂直の高い岩壁が。でも、羽生は天才クライマーだから行けるのかな、みたいになる)。
・なんで写真燃やしてしもたん?
・ひどい目に逢って帰ってきた深町が飲んでるところに入ってきて、「山で死ねたら本望だよ~」とか最高のタイミングで笑いあう学生(笑)
何のためのシーンなのかよくわからないが、とりあえずどんだけご都合ですか。
・突然「あなたはどれだけの命を奪えば気が済むんですかー(うろ覚え)」と叫びだす岸涼子(尾野真千子)。
山に向かって言ってるんだと理解するまでに数秒を要しました。
山を敬語でののしるってシュール。
そのうえ、「ああ、この人は山は山としてあるだけだってわかっているんだけど、お兄さんを失くし恋人を失くし、どうしてもそう叫ばずにいられないぐらいつらいんだな」と慮らなければならない。
・なぜおまえはここまで来たのか、と羽生の亡霊に訊かれて、
深町「わからない!」
羽生「そうか……わからないか……」
誰にもわからないまま映画が終わる。
・「俺に憑りつけ!」
確かに体を背負っては帰れない。小説では本当に連れて帰ろうとして「何やってるんだ」と我に返るが、映画では難しかったのでしょう。
・最後の千鳥足。あれじゃ、あそこから尾野真千子までだって辿り着かないよ!
となかなか面白かったです。
羽生に向かって一生懸命叫ぶも高い所で声が出にくい感じとか良かったし、(これは現地でなくても撮れるでしょうが)強風でばたばたいっているテントの中で二人膝を抱えているシーンも良かった。アイスフォールの映像も「わーっ」てなったし、良いところもありました。
あれだけやってるのに、どうしてか「エヴェレストってやっぱりすごい」と圧倒的な自然を感じられなかったのは不思議です。
ともかく、役者は良かったです。
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原作は夢枕獏。
いつ幻獣が出てくるかとひやひやしていましたが、調査と経験に基づいた立派な山岳小説でした。
三国志を読んでいる
これでたしか三度目の挑戦です。
先の二回は、どちらとも劉備が張飛に剣をあげてしまうところあたりで終わった。つまりかなりの序盤。
しかし今回はちゃんと劉備がむしろ売りを脱出しました。
関羽とも出会いました。
孔明がなかなか出てこないので驚きました。こんなに重役出勤とは知らなかった。
だがなかなか出てこないからって慌てるな。
出てきたらもう神々しいほどに賢すぎてつらい。
そりゃ「孔明の罠だ」って言われるよ。横山光輝版は読んだことないけど。
これだけ長いのに飽きないのは、ストーリーそのものが面白いということもあるけれど、記述がシンプルだからじゃないかと思う。
叙事詩的というか、戦闘描写などはパターン化しているところもあって、楽しいし読みやすいです。
<気づいたこと>
部下の諫言を聞かない大将は間違いなくひどい目に逢う。
董卓の仕打ちがひどすぎてつらい。
曹操のこともけっこうたくさん書いてある。良い描写もある。「三国志演義」がもとのはずなで、もっと悪人に書いてあるのかと思っていた。
酒を飲みすぎて失敗する張飛。
情に厚すぎて失敗する関羽。
「現代人らしくない」と嘆かれる劉備。
戦国乱世の考え方がけっこう厳しい。「卑怯では…」と思えることも仕方ない。
そのくせ、籠城している門前で悪口を言われるとすごく怒る。ちょっと笑える。
貂蝉ちゃん好きだったのに。お義父さんのお願いがエグくてつらい。
趙雲が出てくるとあっという間に敵が蹴散らされる。
夏侯○ という人が多くて区別がつかない。
立派そうな人でも、出てきて数行で消えたりする。
感情表現が激しい。
そして、孔明の裏をかいたと思って笑っていたら、次の瞬間真っ青になる。
なんか多分そんなかんじで。
ぼちぼち読んでいます。
3月中に読み終えたいと思っていましたが、今日で3月が終わってしまう。
4月中にはぜひ読了したいです。
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犬の尻尾が好き
今週のお題「犬派? 猫派?」
どちらも可愛い。どちら派ということもないですが、犬を飼っていたことがあります。
缶コーヒー一箱と交換にもらわれてきた雑種の兄弟犬で、一匹は白くてもう一匹は茶色。尻尾のかんじも毛の質も顔も違ってた。母ちゃんは柴犬。父ちゃんは不明。
今思い返しても笑ける奴らです。
白い方の尻尾は立派でくるっと巻いていて、引っ張ったり下げさせたりするのですが、また自然にふわーっと巻き上がる。犬は嫌がってたようなので、たまにだけだが、ごくたまにいけずした。許してください。
茶色のほうは、途中で黒い毛がV字に入っていて、白も混じっていて、なんか洒落た奴だった。こっちの尻尾はあんまり立派でなく、へたっていることも多かった。ちゃんと尻尾で感情?を表現する演技派でした。
家に帰るとやたら尻尾を振って出迎えてくれるのが嬉しかった。
時々土に開いた穴に鼻を突っ込んでふがふがいっていたが、どうもネズミかなんか探していたらしい。そんなときは楽しくて仕方ないのか、尻尾を振っていた。こちらにアピールするわけでもなかろうので、無意識に振っちゃうのかもしれない。
女神転生にフェンリルって出てくるんですけど、白い方はあんなにかっこよくも綺麗でもないにせよ寝てるとあんなかんじでもふもふでした。茶色い方は散歩中上から見るとコロッケが歩いてるようにしか見えず、春から夏にかけて太陽がぽかぽかしてくると、毛がほこほこになってまさにホットドッグになっていた。今頃は天国で楽しくやってるでしょう。
猫の尻尾は触ったことがない。長いのと短いのがいるのが不思議。
猫も可愛い。にゃーとかいわれるとメロメロになります。飼ったことないけど。
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おまえの口に口づけしたよ…
滋賀県立近代美術館に行ってきました。
瀬田駅からバスで10分ほどのところにあります。
ビアズリーと日本という、ちょっと珍しい展示で、なかなか興味深かったです。
もともとビアズリーが好きで、特にアーサー王関連の挿画が好きなので、ぜひ行きたいと思っていました。
しかしビアズリーご本人はアーサー王の挿画は「お仕事」としてやっていたとか。本当に描きたかったものではなかったそうです。へえ〜。
サロメももちろん素敵でした。
実はビアズリーの作品は展示の半分くらいで、あとは影響を受けたとおぼしき方々の作品が並んでいました。
たしかにビアズリーと日本、と銘打ってあるので、文句は言えない。
それに、ビアズリー以外の作品もなかなか良かったです。
今回初めて知っていいなと思ったのは、橘小夢(たちばなさゆめ)と、小林かいち。
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不倫しようにも旦那がいない
やっぱり明石が好き
明石。
母の実家で、よく遊びに行きました。
駅からお城が見えます。鯛もいます。昔は金色だったような気がしますが、気のせいかもしれません。
お堀があって、白鳥がいて、亀もいっぱい。
城下町なのです。
ステーションデパート(通称ステーション)に行く、というとけっこうお出かけ感があったように記憶していますが、今考えるとデパートか?という規模だったと思います。
ケンタッキーでチキン買ってもらえると嬉しかったなぁ。そのケンタッキーも、確か今の場所ではなかったです。
今、駅前を新しくしているところみたい。映画館もずいぶん前になくなったし、そろそろポルノ映画館もなくなるという噂が。
街が変わっていくことに少し寂しさを感じる歳になりました。
魚の棚(うぉんたな、という)も今では観光地のようになっていて、それもまた良しかなと。
お魚が美味しいのは間違いないです。
そういえば、昔は祖父母の家にずいぶんなおばあちゃんが車を押して魚を売りに来ていました。港で仕入れたのをそうやって売り歩いてたんですね。
祖母がぴちぴち跳ねている魚をぶった切っていたのを思い出します。
ベラの塩焼き、カレイの煮付け、太刀魚、さわらの味噌焼き、そして蛸に鯛。もちろんお刺身はなんでも美味しい。
明石では玉子焼き、と言いますが、たこ焼き(明石焼き、というのかな)も昨今は行列ができるようなお店もあるようで。
ちょっと歩けば小洒落たレストランがあったりお菓子屋さんがあったりして、あなどれない。
明石銀座のなんともいえない地方っぷりというかワビサビ感も味わい深い。しかしシャッターだらけでもないし、そこそこ人出もあって、頑張っていると思います。
新快速も止まるし意外と便利なんだよね。ちなみに三ノ宮からだと新快速で20分ぐらい。
でも、少し入ったところの誰が来るのかわからないような靴屋とか、金物屋とか、開いてるのか開いてないのかわからない喫茶店とか…それは小さい時の記憶とあまり変わっておらず、駅前がどんなに栄えようと、私にとってノスタルジーを感じる街ではあります。
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