映画 イレイザーヘッド
「イレイザーヘッド」を見てきました。
デヴィッド・リンチ監督。
1977年の作品。
■めちゃめちゃ雑なあらすじ
印刷工のヘンリーは、恋人メアリー(の母親)からメアリーが出産したことを聞かされ、結婚する(したんだと思う)。
メアリーは赤ちゃん(らしきもの)を連れてヘンリーの部屋にやってくるが、赤ちゃんの夜泣きに耐えられなくなり、メアリーはひとり実家に帰ってしまう。赤ちゃんと取り残されたヘンリー。
その後、夢なのか現実なのか、気色の悪いことばかり起こってなんかよくわからんことになる。
■感想
時折、映画館で映画を見ていて早く終わってほしいと思うときがあります。
退屈、あまりにも怖い、トイレに行きたい、次の用事があるのに思いのほか映画が長い……。
今回は、なんかおかしくなりそうなので早く終わってほしいと思った。
怖いのとは少し違う。
しかしもう、悪夢を延々と見ているようなシュールというか気持ちの悪い映像、映画に満ちている頭おかしくなりそうなノイズ。
「早く終わってほしかった」というのは褒め言葉。
そう、これはデヴィット・リンチ作品。
ちょこちょこ検索してみて、親(父)になる不安を表した作品という紹介が多く見られ、なるほどなぁと思いました。
しかし、あんまりいろいろ考えなくてもかなり不安な気分になれます。
白黒作品ですが、明るい白い部分はほとんどありません。灰色と黒。
気持ち悪いけれどシュールさというかどことなく滑稽なところもあって、でもここで笑うのは不謹慎なのかとか、変な気持ちに。
もげた頭が本当にイレイザーヘッド(鉛筆の頭についてる消しゴム)になっちゃうとか、なんじゃそりゃって。
これ、ヘンリーの主観(一部違うところもありますが)の映像だというのは、そうだと思います。
同じものを見ていても、人によって捉え方は違うわけですね。何なのかまったくわからない「赤ちゃん」も、ほかの人が見れば普通の赤ちゃんなのかもしれません。
ヘンリーの主観(普通の人とはだいぶ違う)を説明なく見せられている、というのか。
だから多分、理解はできないんだと思います。
■気持ち悪いので、苦手な方はお気をつけて
ぴくぴく脚が動いてナイフを入れたら出血する(笑)チキンとか、赤ちゃんの濡れたかんじとか、相当気持ち悪い!
胎児(?)みたいなぬらぬらしたものがぼとっと落ちてくるだけでも、うげげげ、と。
部屋も気味が悪くて、机の上にいきなり土が盛ってあって木が生えてるの。
登場人物も不気味。特にメアリーのお母さん強烈。ラジエーターのほっぺおかしな女の子も……あれ、可愛いわけじゃないよね? 気持ち悪いよね?
そういうのが苦手な方はわざわざ見なくても良いと思います。
まさに怖いもの見たさで見ましたが、こういうものを映像にして作品として成り立たせてしまうというのがすごい。
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