クッションモスがきた
クッションモスが我が家にやってきました。
溢れるぐらい栄えるといいなあ。
■
すさまじい晴れ。
買い物に出掛けたら、小さな花柄の黄色いワンピースを着て、10センチはありそうなヒールをはいたお姉さんが、男性と一緒に歩いていた。丈がえらい短い。ラベンダー色の日傘をさして、なんともいえないちぐはぐさがかわいらしい気もしないでもない。
お気に入りのものどうしがしっくりくるとは限らないわけです。
少し行くと、日曜日にしてはフォーマルよりの、ブルーグレーのストライプシャツに紺のスカートをはいた女性が前を歩いていた。
シャッターが降りた店の前で立ち止まる。
なんだろうと思ったら、上からたくさん鳥の声がする。つばめの巣があるんだろう。
下からのぞきこんで、にっこりした顔が見えた。
とても優しい素敵な笑顔だった。
買い物が終わって帰り道、また同じ黄色のワンピースとラベンダーの傘に出会った。
あの高いヒールは今日何ミリぐらいすり減るんだろう。
『シン・ゴジラ』みた
【映画パンフレット】 シン・ゴジラ SHIN GODZILLA 監督 庵野秀明 キャスト 長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ
- 出版社/メーカー: 東宝
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログ (5件) を見る
公式サイト
http://www.shin-godzilla.jp/sp/index.html
シン・ゴジラを見た。
予告を見た時点ではまったく見るつもりはなかったが、評判が良いというので。
ハリウッドの真似して失敗してても嫌だし、ゴジラがちっとも動かなくてがっかりするのも嫌だったが、そんな心配は無用でした。
面白かったです。
最初のゴジラが可愛くていろんな意味でどうしようかと思った。
が、そのうち、日本の特撮らしい、ちょっと懐かしい感じが嬉しくなってきた。
ゴジラの出番よりは、それに対する人間たちの動きの方が多いが、それも、大きな存在と小さくてちょこまかした存在、という対比になってよかった。
とにかく会議が多くて進まない、無責任で頼りない(ように見えてもがんばっている人もいる)政治の風景と、現場で黙々とやってる人々の風景と。絶対覚えられないのに、たいして重要な人でなくても名前が出てくる。ドキュメンタリー感が、低予算感をカバーしていたと思う。
いちばん良かったのは、熱核爆弾をなんとか回避しようとするくだり。
米国だと怪獣映画に限らず、すぐ使っちゃって毎回げんなりする。ここをきちんと取り上げて、トップと現場で切り抜けるところあたり、今の日本でやる意味があると思った。
政府内のあれやこれやや、都内で戦う自衛隊も見せてくれるし、ちゃんとそれらしかった。もし今ゴジラが来たら本当にこんなかんじなんじゃないだろうか、と思いました。
それにしても新幹線攻撃に在来線攻撃!ある意味感動した。
そして自衛隊に比して米軍の破壊力。よく描いたなと思う。
ほとんど人間パートなんだけど、人間パートに入ると途端に眠くなるハリウッドのゴジラ(エメリッヒじゃないほう)とは違って、応援したくなった。まあ、舞台が日本だからかもしれませんが。
とはいえゴジラもなかなか東京を派手に壊してくれて、ビルは倒壊するし火の海になる。
で、モロではないけれど人が亡くなったんだな…という描写があって、ちゃんと悼んでる。でもお涙頂戴的なものは一切ない。こういうのは良いですね。
俳優陣も絶妙。豪華だけれど派手ではない。
市川実日子は前から好きだけど、今回も良かった。
あと、高良健吾が脇で出てくると今のところハズレがないです。
巨大生物対策チームの個性的な面々の、キラキラ俳優感のないところがすごい良かった。
庵野監督ありがとう。
音楽とかちょっとエヴァっぽいところもあったけど。
というわけで、たいへん堪能しました。
イメルダさんはあの靴全部履いたのか
今週のお題「わたしの一足」
タイトルは関係ありません。
わたしの一足
最初、わたしのひとあし、と読んでしまい、なんのことかと思いましたが、靴のことね、はい、靴…。
ラベンダー色のローヒールパンプスが大好きだったのですが、かかとがすり減って安定感がなくなってしまいました。水も漏ってくるし、今はあんまり履かないです。
この水玉のぺたんこ靴、まだあんまり履いてないのですが、これはちょっと楽しい気分になります。
ヒールの高い靴は気分がいいけど、必ず足が痛くなるので、あんまり歩かない日だけ。爪先が尖っているのも痛い。
私だけかな、と思っていましたが、みんなけっこう痛いと思ってるんですよね。
パンプスを探していて、検索したとき、検索候補に「パンプス 痛くない」と上がってきて、へぇ、と思った。
なんで世の中の女性は痛い思いをして窮屈な靴を履くんだろう。
と言いつつ、自分も時々履く。
たまには履きたい。なんでかはよくわからない。
かかとが高い靴だと、背が高くなっていつもと見える風景が違うんですね。
それ、ちょっと気持ちいい。
かかと数センチのことなのに、不思議なものです。
でもいちばん気分がいいのは、裸足でしょうね。海辺を裸足で歩くのが大好きです。波打ち際。濡れた砂の、滑らかな感触が。
アスファルト歩くのも好きです。人工的なトゲトゲしたざらついたかんじ。夏は火傷しそうですからお勧めしませんが。
玉砂利とかもいいですね。ツボ刺激に…笑
ぱっと頭に浮かんだのは『三四郎』のストレイシープ
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
夏目漱石の『三四郎』です。
1908年というから100年以上前の作品なのですね。
これは若いときに読むといいと思う。若くなくなってから読んでももちろん良い。
私が読んだのは、若いと言っても学生時分で、おそらく20歳そこそこだった。
とかなんとか言いつつ、実は「迷える子(ストレイシープ)――わかって?」と「かあいそうだたほれたってことよ」だけが強烈に残っており、物語自体がどんなだったかはあんまり覚えていない。おぼろげな記憶しかないが、三四郎の恋を応援していなかったと思う。多分美禰子が嫌いだったのだ。
もしかしたら美禰子に嫉妬していたのかもしれない。
とはいえ私が三四郎に恋をしたからではもちろんなく、いつか自分も「ストレイ・シープ――わかって?」というような不思議なことを言うてみたかったのである。
そんなシチュエーションは訪れず、そんなことを言って空気がもつような謎の魅力を備えるに至らず、当然ながら言ってみたことはない。
最近、もう一度読み始めた。最初のほうで同宿した女性に「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」なんて言われる場面があり、忘れていたが強烈だなと思った。若い男性(しかも100年前の九州男児)としてはこの言葉は刺さるだろうな、とこれは今だから想像できるわけです。今読めば美禰子についても別の感じ方をするかもしらん。
起こっていることひとつひとつを取り上げれば、きっと私はそんな体験をしていないのだけれど、でもなにがしか「あの頃はそんな思いだった(かもしれない)」というのを思い出すし、読み進めて行けばますます思い出すだろう。だからか知らないが、「もう一回読もう」と思ってから本を開くまでにかなり時間がかかったし、なかなかページが進まない。なんというか、すでに失われているけれどまだ冷静に見つめ返せるほど隔たっていない季節、なんでしょうかね。
内容は吹っ飛んでいても、私にとっては青春の香りがするというかまさに青い春そのものといった小説で、若い頃の自分というよりも「若さ」そのものを切なく思い出させる。仮に「青春」が『三四郎』の主題でなかったとしても、私にとってはそういう作品なのです。
青空文庫でも読めます。
追記。
よく考えてみたら、三四郎は熊本から出てくる。
一度だけ熊本に行ったことがある。なんでもおいしくて、人は優しくて、すごくいいところだと思った。
どう言っていいかわからないけど、まずは早く余震が止みますよう。